![]()
それからの私は、男性不妊の猛勉強をし、情報を集め、病院を訪ねてまわった。 そのうちにひとつの壁にぶちあたった。 私は、10年以上前に受けた手術時の全身麻酔の後遺症でたびたび入院している。 脳神経外科病院、地元の総合病院、小さな頃からお世話になっている主治医のいる病院。 その3つの病院の連携プレーで、どうにか元気に生きているのだ。 重度の自律神経失調症。機能障害。 寝不足が続けばすぐに突発性難聴となり右耳が聞こえなくなる。 少し運動すれば動悸とめまい、嘔吐で苦しむ。 何もしていないのに手足が震え出す。 歳をとるにつれひどくなり、くわえて肉体的にハードな仕事場で働いていたことも重なり、 どうしようもない状態になってしまっていた。 主治医は 「不妊治療??かなちゃんにはムリムリ。 ホルモン治療なんかしたらどうなるか責任もてないよ。自然妊娠するしかないねぇ」と。 「だいたい妊娠・出産自体が命がけなんだよ。健康な女性だったとしてもね」と。 「でも、私にも何か他に原因があるかもしれないし、ラパロだけでもやりたい」と言うと、 「今度、今のままの状況で全身麻酔をしたらどうなると思う? それでなくても元気に生きてるのが不思議なぐらいなのに。 もっと自分の体を大切にしなさい」と主治医は少し怒ったように言いました。 「なんだよ・・治療すらできないの?じゃあいったいどうすればいいの? 私は赤ちゃんがほしいんだよ!!」 死にたくなるほどの悲しさと焦りで気が狂いそうだった。 赤ちゃんへの執着はこの頃がピークだったと思う。 毎日毎日赤ちゃんのことばかり考えていた。 そして「大丈夫だよ!絶対赤ちゃんできるよ!」と、 なんの根拠もない夫の明るい励まし。 うつ病の人を励ましてはいけないというが、 なるほどこの頃の私は、夫に励まされるほどおかしくなっていった。 些細なことでヒステリーのように怒っていた。 あんなに好きだった夫の笑顔さえも疎ましく・・。 夫は顔や態度に感情をださないタイプです。 そのことが私の神経質な性格を逆なでし、夫婦仲はどんどん悪化していく一方。 「夫だって苦しいんだ」頭ではわかっていてもどうにもならなかった。 おかしなことに、「子供ができない」とわかった途端、セックスをする気にもならない。 それでも排卵日近辺には、「しなくっちゃ」と、義務的に・・。こうなると快感など全くない。 この頃の私は、夫の気持ちを考える余裕など微塵ももちあわせていなかった。 台所で夕食のしたくをしながら、いっそのこと死んでしまおうかと思いにふける日々。 「こんな人と、どうして結婚しちゃったんだろう」 大好きで結婚したはずなのに、 予期せぬ出来事で地獄のような暗い日々が過ぎていきました。 |